Interview
スピード感ある構造設計で、
品質を支える。
瀧 吉生
YOSHIO TAKI
入社動機について
2社の合弁による変化の中で、
新しく始まる未来に期待。
入社を決めた理由を教えてください。
母校の学内セミナーに参加していたときに、当社を知りました。空調業界なら、機械設計や熱力学の知識をしっかり活かすことができる。そのことはもちろん魅力的でしたが、会社そのもののユニークさにも惹かれました。当時は合弁からそれほど間がなく、日立アプライアンス(現 日立グローバルライフソリューションズ)とジョンソンコントロールズの強みが重なり合って、さまざまな変化が生まれはじめたタイミング。新しい何かが起こせそうな雰囲気を感じたのです。また、若手の声をしっかり受けとめる社風だと聞いたことも、入社へのモチベーションにつながりました。
仕事について
図面というスタートラインを描き、
出荷までを見届ける。
現在の仕事内容を教えてください。
エアコンの室内機の設計開発をしています。主には、電気品箱の構造設計が担当。電気品箱は、製品を動かすための回路や装置を格納する箱のことです。私はもともと、エアコンの仕組みをまったく知りませんでした。入社前のイメージは「理屈はわからないけれど、冷たい風が出てくる不思議な機械」。その裏側を知ったいまは「高い技術力によって、世界の快適な環境づくりに貢献できる製品」。自分でも「本当にすごい」と思える製品に関われるところがいいですね。
どんな時にやりがいを感じますか?
一つは、図面を描き終えた瞬間です。その図面があることで、モノづくりが本格的に動き出していく。まるでスタートラインに立つときのような、わくわくした気持ちになれるからです。もうひとつは、出荷のときですね。いよいよ製品がお客様のもとへと旅立つ、ホッと解放されたような気分。工場が同じ敷地内にあるので、できあがった部品をこの目で見て、手に取ることもできます。文字通りの「手応え」を感じます。
大切にしていることはなんですか?
スピード感です。製品の質を向上させるうえで重要なのは、「少しでも早く試作に移り、実物で検討する時間を長く取ること」だと思っています。材料特性や部品の性能など、実物に触れながら検討すべきポイントがいくつもあるからです。そのためにはまず、図面が早く仕上がっていなければならない。技術者としては図面そのもののクオリティにも徹底的にこだわりたいのですが、時間的なしわ寄せがほかのプロセスに影響してしまったら本末転倒。開発全体のことを考え、自ら定めた期限を強く意識して進めるようにしています。
成長について
主体性をもって開発に参加し、
失敗を成長に変える。
自分を成長させたエピソードを教えてください。
入社1年目に担当した、ある製品の試作段階でのことです。3Dモデルで事前にシミュレーションをしていたものの、実際に試作してみたところ、内蔵されているAとBの2部品が、動かすと干渉してしまうことが発覚しました。量産に向けた金型製作に進む前に問題が分かったので、時間的にもコスト的にも大きな痛手になることは回避できましたが、ひやりとした出来事でした。これをきっかけに、シミュレーションの精度を上げるとともに、できるだけ早く試作を行い、実物をじっくりチェックできるスケジュールを組むようになりました。いま思い出しても冷や汗ものですが、入社1年目でこの経験ができたことは、本当にいい学びになったと思います。
成長を支える風土や文化について教えてください。
若手でも提案の機会が非常に多いですね。私の部署では部品の形状を考える機会が多いのですが、先輩から「どうしたらいいと思う?」「どんなふうにしたい?」とよく意見を求められ、しかも聞きっぱなしではなく、ちゃんと受けとめてもらえる。さらに、関われる製品が幅広い。これまでにフルモデルチェンジを3機種、マイナーチェンジを7機種手がけてきましたが、そのたびに担当する部品も変わっています。この仕事はとても奥が深く、ベテラン設計者でも一度の設計で量産品(完成品)までの質を求めることは難しく、何度も図面の書き直しが必要となります。だからこそ、幅広い開発に主体的に関わり、成長を促してくれる環境はうれしいですね。