Interview
化学の視点で、
空調の新常識をつくる。
福井 健太
KENTA FUKUI
入社動機について
世界に届く、
空調の新常識をつくりたい。
どんな軸で就職活動していましたか?
家電メーカーを中心に企業選びを始めました。日常生活の中であたりまえに使う家電なら、社会に貢献している手応えも大きいと考えたからです。しかし当時は、エアコンも家電の一つのカテゴリーだという認識。空調機器に特化したメーカーがあることを知って驚いたのですが、同時にその専門性の高さに惹きつけられました。空調は世界の暮らしに欠かせないもの。これからも進化は続いていくでしょう。そして当社は、「凍結洗浄」に代表される独自技術を世界に届けてきた業界の先駆者です。ここでなら、空調業界の新常識を生み出すような仕事ができるかもしれない。そんな思いから志望しました。
業種以外に重視したことはありますか?
業種以外の項目、例えば待遇や福利厚生はそれほど気にしていませんでした。だからこそ、入社してから改めて当社の働きやすさを知り、良い意味でのギャップを感じました。有給休暇が多いうえに取りやすくて、私はほぼ100%消化しています。よく旅行するのですが、その移動費や現地でのイベント参加費は、会社から支給されるカフェテリアポイントでまかなうことも多いですね。また、スーパーフレックス制度を活用して、午前中に通院したり、仕事を早めに終えて遊びに行ったりもしています。こうした働き方の自由があるからこそ、仕事にも余裕を持って打ち込めているのだと思います。
仕事について
すべての空調機器を変えるかもしれない、
化学物質の研究開発。
仕事内容とその面白さを教えてください。
空調機器に封入される化学物質の研究開発を行っています。熱の移動に用いられる「冷媒」や、冷媒を圧縮するコンプレッサーの潤滑に使われる「冷凍機油」です。新たに開発された冷媒を使って空調機器の試運転を行い、使用後の冷媒を分析したり、冷媒と冷凍機油との化学反応性を確認したりすることが主な業務です。特に冷媒は、環境性能の徹底的な追求が求められる物質。私自身は冷媒に着手してまだ日が浅いのですが、新技術を1日でも早く世界に送り出すために、責任感とスピード感をもって研究を進めていきたいと思っています。
もっとも力を入れているのは、どんな研究ですか。
主担当として手がけているのは「冷凍機油の異常検知」。一般的に、空調機器に不具合が起きる原因のひとつに、コンプレッサーの故障があります。その内容をよく調べてみると、冷凍機油の変質や給油不良に起因するものが多い。それらの異常を運転中に検知して改善すれば、長期信頼性の向上につながるという発想です。これが実現してすべての空調機器に搭載されたら、大きな社会貢献につながる——つまり、就職活動にあたって描いた理想に近づくことができる。どこにも前例がない手探りでの研究ですが、トライ&エラーを応援してくれる社風にも背中を押され、前向きに打ち込んでいます。
成長について
社会人としての基礎も鍛えられた、
研修員論文。
自分を成長させたエピソードを教えてください。
入社3年目の春に「研修員論文発表」という一大イベントがあります。個別のテーマに基づいて研究を進め、その成果を社内に向けてプレゼンするというものです。私が上司と相談して決めたテーマこそが、先ほど挙げた「冷凍機油の異常検知」。検知手法の検討や指標となるパラメータの設定など、テーマに即した研究を進めることはもちろん、発表に向けてどうスケジュールを組むか、どう資料にまとめていくかなど、社会人としての基礎的なスキルまで総合的に鍛えることができました。指導員として教えてくれた上司には、本当に感謝しています。
これからどう成長していきたいですか?
大学で化学系を学んだ私。空調業界では、やや異色の存在ともいえます。だからこそ、先入観にとらわれることなく、業界の先駆けとなるような研究や発明をかたちにしたい。新しいことに挑もうとすればするほど、失敗も増えていくのが研究の難しさです。しかし、そこからしっかり学ぶことができれば、失敗は財産。そんな姿勢を貫きながら、いつか、広く市場に出回る製品に私の研究で貢献できたらと思います。