Interview
空調機器の世界的なニーズに、
開発力で応える。
早稲田 新也
SHINYA WASEDA
入社動機について
学生時代の危機感から、
世界とつながれる場所へ。
どんな軸で就職活動していましたか?
職種と職場環境を重視していました。職種はメーカーの設計開発、それも「人が持てないほど大きなモノ」を手がけたいと思っていました。あくまで個人的な感覚ですが、大きな製品に携わることで、分かりやすい手応えを得られると思ったからです。加えて、大学で学んだ熱や流体の知識が活かせることも条件のひとつでした。職場環境についての希望は「明るく活発で、挑戦的であること」。さまざまなメーカーのインターンシップに参加して社風を垣間見ましたが、淡々とした会社もあれば、当社のようにオープンで熱量が高く、挑戦を恐れないところもある。自分の性格と重ね合わせてみれば、入りたいのは絶対に後者だと感じました。
グローバル企業であることも重視しましたか?
学生時代に、小型レーシングカーを一からつくる「学生フォーミュラ」を経験しました。その発祥の地であるアメリカのチームも参加していたのですが、技術力が日本チームとは段違い。「国内だけに目を向けていたら、きっと世界に置いていかれる」。そんな危機感を覚え、グローバルな視点を強く意識するようになりました。空調は、世界的な成長産業です。世界水準の最新技術を常にキャッチアップしていなければ、市場で競い合うことはできない。だからこそ、当社のグローバルな開発体制には大きな意味があると思います。
仕事について
国内外のメンバーと、
グローバル製品のプラットフォームを開発。
仕事内容とその面白さを教えてください。
配属後からビル用マルチエアコンの室外機を開発しています。新製品の構造設計や、開発試験対応が業務の中心です。グローバルに展開される製品のプラットフォームですから、各地域の要望を受けとめながら、最適な設計に落とし込むことを常に意識しています。面白さを感じるポイントは「現物との知恵比べ」。設計には問題がないはずなのに、試作した現物ではうまくいかない——開発では珍しくない場面ですが、知恵を絞ってその壁を乗り越えた時は本当にうれしい。そのせいでしょうか、自社製品にはとても愛着があります。たとえデート中でも、自社製品を使ってくださっているお店を見つけると、つい「ありがとうございます」と口に出してしまいますね(笑)。
部署の雰囲気を教えてください。
私が所属する部署は、日本と海外から約半数ずつのメンバーが集まっています。人間関係はとてもフラット。組織としての上下関係はありますが、仕事上のディスカッションでは誰もが対等です。私はもともと主張の強いタイプなので、自分らしく発言できる環境はとても気に入っています。また、開発初期から臆せず意見を交わすことで、あとから問題が発覚するリスクも抑えられるのではないでしょうか。ある開発では、設計初期段階で先輩と私の考え方に相違があることがわかりました。気づかずに試作に移っていたら、軌道修正は難しくなっていたはず。そこで、3Dモデルで徹底的に検証を行う手法を確立し、満を持して試作に挑む体制の構築に貢献できました。
成長について
開発ではなく量産がゴール。
切り替わった、モノづくりへの意識。
自分を成長させたエピソードを教えてください。
非常によく似た、2つの部品を手がけた時のことです。形状としては左右対称ですが、固定のために空ける穴の位置などが異なるため、私は別々の部品として設計。ところがそれをレビューした上司は、固定穴の追加と外形のちょっとした修正で、ひとつでどちらにも使える部品に仕上げたのです。その分、材料費は増えますが、2種類の部品を製造し管理するコストを削減できます。なぜ自分は、それに気づけなかったのか。原因は、学生時代の性能を追求したモノづくりから、量産品設計への意識の切り替えができていなかったことでした。設計開発段階で量産を見据える。この時の悔しさがあったからこそ、仕事としてのモノづくりにしっかり向き合えるようになったのだと思います。
これからどう成長していきたいですか?
空調機の需要は世界的に高まっています。一方で、技術面やコスト面の問題から、供給が追いつかない地域が出てくるかもしれない。その課題を、設計で解決できるようになりたいと思っています。そのためには、「温故知新」が重要。過去の開発資料を調べ、そこから得た知見を次につなぐ。失敗を恐れずに学び、着実に成長していきたいです。